横浜市は、川崎市、横須賀市、逗子市、鎌倉市といった隣接する市と比べて面積が大きく、同じ横浜市であってもエリアによって街の様子も歴史も違います。
例えば、みなとみらいや山下公園は横浜のおしゃれなエリアですが、横浜市の南に位置する金沢区は鎌倉時代に関係する建物も多くあって横浜というよりも鎌倉の歴史をどことなく感じさせます。
今回は明治憲法の草案が金沢区で作られたと聞いて行ってきました。
横浜市金沢区にある「明治憲法草案の碑」へのアクセス
横浜市の金沢区には、「明治憲法草案の碑」があります。
電車の場合は、金沢八景駅の改札を出てまっすぐ進んでいくと国道16号線に出るのでそのまま信号を渡り、国道16号線を左に進んでいきます。
進んでいくと右手に琵琶島神社がありますが、そこを通り越して「瀬戸神社前」という交差点を右に入っていきます。そして、そのまま野島方面へと歩いていきます。
ちなみに琵琶島神社は、平潟湾に突き出るようにして建てられており、金沢シーサイドラインの金沢八景駅の下にあります。
所在地 | 〒236-0028 神奈川県横浜市金沢区洲崎町7−4 |
アクセス | 京急線「金沢八景駅」から徒歩7分 |
瀬戸神社前の交差点から野島方面に3、4分ほど歩くと左側に明治憲法草案の碑が建ってます。
自転車で行ったら、朝比奈峠で手間取ってしまい、着いた時は日没後でした。
石碑へと向かう途中の道路右側には、何軒もの釣り船屋さんが並んでました。
住宅地の中に石碑が立っている感じです。石碑の文字は、金子堅太郎によるものだそうですが達筆です。
明治憲法草案は金沢区で練られた
憲法といっても、今の日本の憲法とは違います。
今の日本の憲法はGHQによって作られましたが、明治憲法(大日本帝国憲法)は日本人によって初めて作られた日本最初の憲法です。アジア最初の憲法でもあります。
石碑には、「この碑は明治20年(1887)伊藤博文 伊藤巳代治 金子堅太郎らが料亭東屋において明治憲法制定のため草案を起草したのを記念し昭和10年(1935)金子堅太郎書で建立されたものである」と書いてあります。
伊藤博文ら4人(伊藤博文、井上毅、伊藤巳代治、金子堅太郎)は、連日この近くの東屋という料亭に集まって明治憲法の草案を練ったそうです。
ちなみに、東屋は昭和30年になくなってしまったようです。
明治憲法の草案作りの最中、途中で草案が盗難被害にあうというトラブルがありましたが、その後も近くにある伊藤博文の別荘に場所を移して憲法の草案は続けられたそうです。
近くには伊藤博文の別荘がある
伊藤博文の別荘は、野島にあります。
石碑が立ってる場所から伊藤博文の別荘までは、徒歩で15~20分ほどの距離です。
伊藤博文の別荘は、野島公園の展望台の近くに今も建ってるので、一緒に観光してみるのもいいと思います。
また、別荘の庭には牡丹園があります。
野島にある伊藤博文の別荘
ちなみに、野島の展望台付近から見える夕照が「野島の夕照」として「かながわの景勝50選」に選ばれています。
近くの海の公園では、干潮のときは付近で潮干狩りをしている人を見かけます。潮干狩りは無料なので、最近は中国人にも人気のようですが、根こそぎ持っていくと問題視されてます。
野島公園には、有料駐車場がありますが、駐車場に隣接して駐輪場も設けられています。
駐輪場のスペースはそんなに広くはありませんが、無料なので釣りをしに来る人も停車してます。
ここに停車すれば伊藤博文の別荘と野島の展望台をまとめて見ることができます。
野島の展望台です。展望台からは、三浦半島や横浜の街が見渡せます。天気が良ければ富士山が見えることもあります。
野島公園では、予約をすればバーベキューを行うこともできます。管理人も一度だけバーベキューをしに来たことがあります。
金沢区は、江戸時代から景勝地として知られ、全国で八景ブームが起きた時は、特に景勝が優れた地として金沢八景の名が知られるようになりました。
上の写真の場所(能見堂)から見えたのが金沢八景だそうです。中国の瀟湘八景図が日本に持ち込まれたことで日本で八景ブームが起き、全国で八景が唱えられましたが、とくに有名な八景として残ったのが近江八景や金沢八景です。
写真の石碑には、「金澤八根元地」と書いてあります。
この場所から見た景色に、当時の面影はありませんでした。
見晴らしのいい場所を探しましたが、見えるのはマンションばかりです。
横浜市金沢区は別荘地だった
明治時代の金沢区は、今のように陸続きではなかったといわれています。
今の金沢区は、東京や横浜のベッドタウンですが、当時は別荘地として栄えたそうです。
明治時代の金沢区は、今よりも海岸線が入り込んでおり、長い海水浴場もあったそうです。
今は埋め立てで見る影もなく、広大な工場地帯になっていますが、日本で最初の海水浴場の一つが金沢区の富岡海岸だった(大磯じゃないの?)ともいわれています。