内容証明郵便は法律家じゃなくても利用できる⁉どんなときに使う?

「内容証明」という言葉を聞いたことはありませんか?

管理人がよく読む行政書士が主人公のマンガやドラマでは内容証明を使うシーンが出てきます。

 

行政書士が主役の「カバチタレ」というマンガには、一番最初の回で内容証明を使って主人公の未払い給料を支払わせるシーンが出てきます。

内容証明のおかげで未払い給料を支払ってもらうことができ、このことに感動した主人公が行政書士事務所で働くようになります。

法律を扱うマンガは多いですが、カバチタレで出てくるのは身近な法律を使ったものが多いです。

内容証明とはどんなものか

「内容証明」というのは、郵便法に規定されている「内容証明郵便」のことを指します。

内容証明が普通の手紙と異なるのは、差出人が「どういった内容の」郵便を「いつ」発送したのかを郵便局が証明してくれる点です。

 

行政書士や弁護士、司法書士といった士業が、ホームページで内容証明の相談に応じていることが多いので、専門家のための制度と思っている人がいますが、内容証明郵便制度は法律家だけのものではありません。

例えば、友人にお金を貸したものの、なかなかお金を返してくれない場合に内容証明を利用すれば、督促したことが証拠として残ります。

また、内容証明にすることで、受け取った側に心理的なプレッシャーを与えることができ、結果として裁判の手続きを経なくてもお金を返してくれることもあります。

不動産会社でも賃料の支払いを催告したり、家賃の滞納を理由に契約を解除したり、売買代金を請求する場合などに内容証明郵便が使われます。

普通の郵便では、相手に配達されたかどうかを証明する手段がありませんが、内容証明郵便なら相手が手紙を「受け取ってない」といっても郵便局が証明してくれるので、受け取った側は受け取ってないと言えなくなります。

一般的な内容証明は書留と配達証明で行う

内容証明郵便にすれば、手紙の内容についても郵便局が証明してくれます。

通常の内容証明では、配達証明もセットで行います。

 

内容証明だけでも、手紙の内容と発信したことは証明できますが、相手に届いたかどうかといつ届いたかまでは証明できません。

そのため、配達証明もセットで利用するのが一般的です。

内容証明による効果

日常生活にはトラブルがつきものですが、トラブルが起きても多くの場合は水掛け論になりがちです。

例えば、お金の貸し借りでなかなかお金を返してくれないことから、手紙で「お金を返してほしい」と訴え、後日、手紙のことを伝えても「そんな手紙は受け取ってない」といわれたらそれまでです。

その点、内容証明であれば、「文書の内容」、「発信日時」が郵便局によって証明されます。配達証明とあわせることで「届いた日時」も証明されます。

 

他にも内容証明の効果として挙げられるのが、差出人の本気度を示すことが出来ることです。

また、郵便局といった第三者が文書や日時を証明されるため、内容証明についての知識が無かったり、慣れていない人にとってはプレッシャーとなります。

 

半熟行政書士というマンガでは、依頼者さんが内容証明を出しても相手が反応すればラッキーだけど、反応が無かったら諦めるというシーンがありました。

このように相手に対する心理的な圧迫効果を期待して出すこともあります。

内容証明を出しておけば記録が残るので、この後の法的手続きに移行しやすくなります。

 

そのほかのメリットとしては、内容証明では、相手用、郵便局用、自分用の3通作成するので、自分が保管している書類が紛失した場合も手数料を支払えば再交付してくれます。

内容証明郵便 郵便局

お金の返済を請求した例

管理人は、法律の専門家ではありませんが、この制度を利用したことがありますので例を紹介します。

年月日は適当です。管理人は、普段は縦書きにしていますが、横書きでも問題ないようです。

 

催告書

当社は、平成二十八年一月一日、貴殿に対し、金百万円を利息年五%、遅延損害金十%とし、弁済期を平成二十九年一月一日と定めてお貸ししました。しかし、貴殿は、弁済期が経過した現在も返済をされておりません。

つきましては、本書面到達後二週間以内に、元本百万円及びこれに対する平成二十九年一月一日から完済まで年五%および遅延損害金十%をお支払いいただきたく、本書面をもって請求します。

万が一、上期間内にお支払いのない場合は、法的手段をとる用意のあることを申し添えます。

 

平成三十年六月一日

東京都新宿区新宿町○丁目○番○号

管理人 印鑑

 

東京都新宿区新宿町○丁目○番○号

○○○○殿

 

内容証明にはルールがある

内容証明には、形式があります。

用紙の種類や大きさについては特別の決まりはないので、Wordで字数を設定して入力しても大丈夫です。

管理人は利用したことはありませんが、文房具屋さんには内容証明用の紙がおいてあることもあります。

 

内容証明には、1行の文字数、行数、使用文字等に制限があります。

縦書きの場合は、1行20字以内で、26行数になるようにします。

横書きの場合は、1行20字以内であれば、26行数以内にします。1行が13字以内の場合は、40行数以内にします。1行26字以内の場合は、20行以内にします。

句読点は、1個1文字として数えます。

 

料金は、枚数が増えるごとに加算されます。

詳細については、郵便局の利用等の条件を参考にしてみてください。

内容証明 利用等の条件 郵便局

e内容証明(電子内容証明サービス)

e内容証明というのは、インターネットを使った24時間発送できる内容証明郵便です。

パソコンでWordを使って内容証明文書を作成し、インターネットで文書をアップロードすれば、郵便局で印刷して内容証明郵便として発送してくれます。

 

郵便局の窓口で差し出す内容証明文書が2枚以上の場合、e内容証明の方が料金がお得です!

e内容証明郵便 郵便局

まとめ

内容証明制度は、専門家だけの制度ではなく、誰でも使える。

内容証明は、差出人が「どういった内容の」郵便を「いつ」発送したのかを郵便局が証明してくれる。

内容証明の利用にはルールがある。

インターネットを使って発送することが出来る。