今後はテーマから外れている記事で、アクセスが少ないものについては、折を見て削除していこうと思っています。
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・鎌倉・横須賀などの紹介
・体験したこと
過去の記事を見直していて気付いたのですが、鎌倉五山のうち円覚寺、寿福寺、浄妙寺は以前に紹介したのに、建長寺と浄智寺はまだでした。
ちょうど帰省する予定があったので、急きょ鎌倉五山めぐりをしてきました。
Contents
鎌倉五山とは
鎌倉五山とは、中国の五山制度に倣って鎌倉時代から始まった制度をいいます。
日本の五山制度は、臨済宗の寺院の格式をランクしたもので、時代によって寺院と順位が入れ替わることもありました。
鎌倉五山は格式の高い順から、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺となっています。
・第一位建長寺
・第二位円覚寺
・第三位寿福寺
・第四位浄智寺
・第五位浄妙寺
ちなみに現在の鎌倉五山は、室町幕府の足利義満の時代に固定されたといわれ、鎌倉五山の下には関東十刹なんてものもあります。
鎌倉五山の寺院は、いずれの寺院も鎌倉を代表する観光名所として人気です。
鎌倉五山の他にも、尼寺の五山を定めた尼五山といったものがあります。
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鎌倉尼五山(かまくらあまござん)の地をたずねて
かつての鎌倉には、「鎌倉尼五山」と言われた格式高い尼寺がありました。 鎌倉の五山制度は、京都の五山制度にならってできたものです。その尼寺バージョンが鎌倉尼五山なので、尼寺の格式ある五山となります。 と ...
といっても、尼五山で残っているのは東慶寺のみなので、ちょっと寂しいです。
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鎌倉五山めぐりルート
鎌倉五山を1日でめぐるにあたっては、効率よく回れるように北鎌倉から始まるルートにしました。
円覚寺、浄智寺、建長寺の3寺院については、北鎌倉に固まっているのでそれほど時間はかかりません。
また、寿福寺も亀ヶ谷坂を抜けて行くことで時間を短縮できます。
五山めぐりの一番の問題は唯一離れている浄妙寺です。
寿福寺から浄妙寺までは徒歩で30~40分かかりますから、バスの利用がいいかもしれません。

最初に円覚寺を見学し、そこから浄智寺、建長寺とまわって、建長寺からは亀ヶ谷坂を通って寿福寺まで向かい、寿福寺からは金沢鎌倉道を通って浄妙寺へと向かいます。
・北鎌倉駅 → 円覚寺 → 浄智寺 → 建長寺 → 亀ヶ谷坂 → 寿福寺 → 鶴岡八幡宮の前 → 浄妙寺
見学時間を除く移動時間だけで2時間かかりました。
JR横須賀線は、もともと円覚寺の境内を通っているので、北鎌倉駅を降りたら円覚寺はすぐです。
鎌倉五山第二位円覚寺
円覚寺は、鎌倉幕府第8代執権の北条時宗によって弘安5年(1282年)に創建されました。
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北鎌倉駅近くにある「円覚寺」に行ってきたので見所を紹介
鎌倉の寺という本によれば円覚寺は冬に行くのがおすすめらしいです。 梅雨の時季ですが、鎌倉五山第二位の「円覚寺」に行ってきました。 円覚寺と一緒に明月院にも行く予定だったのですが、途中で雨 ...
楼上に十一面観音、十六羅漢像が安置されている円覚寺の大きな山門です。
国宝の洪鐘です。北条貞時が江島に参籠して、天下泰平、万民和楽をいのって正安3年に鋳造しました。
JR横須賀線の線路です。鎌倉周辺の踏切前はどこも道路が渋滞していますが、ここが一番混雑します。
円覚寺の見学時間 40分くらい
鎌倉五山第四位浄智寺
円覚寺の次に行ったのが浄智寺です。
この寺院には小さいながら駐車場があります。
自然とマッチした境内が落ち着くので、個人的に鎌倉五山で一番好きです。
鎌倉五山第四位の格式がある浄智寺は、鎌倉幕府5代執権の北条時頼の三男であった北条宗政が亡くなった折(1281年)に創建されました。
正式には、金寶山(きんぽうざん)浄智寺という、臨済宗円覚寺派の寺院になります。
拝観時間は9時~16時30分で、拝観料は大人200円です。
受付にはパンフレットが別売り20円で売られているので、記念にもなりますし購入をおすすめします。
ちなみに管理人はパンフレットを取っておくので、鎌倉の寺院のパンフレットで部屋があふれています。
パンフレットでは、ここからの眺めをイチオシしていますが、確かにいい雰囲気です。
鎌倉石の石段が周りの自然とマッチしてきれいです。是非見に行ってください。
浄智寺の本堂には、阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒如来の三世仏が安置されています。
浄智寺の鐘楼は、山門の二階にある珍しいものです。この鐘楼は1679年に建立されました。
奥にはお腹をさすると元気がもらえるという布袋様がいます。浄智寺は江の島鎌倉七福神の一つです。
建長寺や円覚寺に比べると広くはありませんが、室町時代までは山の麓まで建物があって、ここで数百人もの僧侶が修行生活をしていたそうです。
浄智寺の見学時間 25分
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鎌倉五山第一位建長寺
浄智寺の次に訪れた建長寺は、鎌倉五山第一位の鎌倉を代表する寺院の一つです。
建長寺は、けんちん汁発祥の寺院といわれ、臨済宗建長寺派の大本山になります。
建長寺は鎌倉幕府の5代執権である北条時頼によって、建長5年(1253年)に建立されました。
建長寺の三門です。
この三門は、安永4年(1775年)に第二百一世住職の万拙碩誼(ばんせつせきぎ)が関東一円から浄財を募って再建したものです。
建長寺の開山に招かれた蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)は、宋流の禅を導入して多くの僧を集め、建長寺は天下禅林と呼ばれました。
建長寺の創建当時は、宋の禅宗寺院に倣って総門、三門、仏殿、法堂、方丈といった主な建物が一直線に並んでいたそうです。
三門、仏殿、法堂、唐門は重要文化財に指定され、梵鐘は国宝に指定されています。
左:重要文化財に指定されている仏殿
右:建長寺の鐘楼。梵鐘は国宝に指定されてます
また、方丈の裏には名勝に指定されている庭園があります。
名勝史跡の建長寺庭園
今でも建長寺では、座禅会や法話が行われてます。
今回は時間の都合で行ってませんが、建長寺の裏にある道を進んで行くと半僧坊に着きます。
左:半僧坊に続く道、その先には階段があります。
右:半僧坊の天狗
半僧坊を抜けると天園ハイキングコースがあります。
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「かながわの景勝50選」の一つに数えられる「鎌倉十王岩」に行ってきました
江の島まで富士山を見に行ったときに、江の島の見どころをスマホを検索していたら、「鎌倉十王岩」という記事を見つけました。 その記事では、江の島と一緒に「鎌倉十王岩」がパワースポットとして紹介されてました ...
見学時間:30分くらい

鎌倉五山第三位寿福寺
建長寺から北鎌倉駅に向かって坂道を上って下りると、左側に長寿寺があります。
坂道が有名な亀ヶ谷坂になります。
亀ヶ谷坂は、鎌倉にかつてあった切通しの一つともいわれ、今も山ノ内と扇ガ谷をつないでいます。
現在も地元の人や観光客がこの坂道を利用しています。
亀ヶ谷坂は、徒歩や二輪車でなら通行できますが、車は通行不可となっています。
亀ヶ谷坂を越えて突き当りまで行くと岩船地蔵堂があります。
岩船地蔵堂を左に行くと踏切があり、寿福寺は踏切を越えた先にあります。
鎌倉五山第三位の寿福寺は、北条政子によって建てられました。
鎌倉五山で唯一仏殿が非公開となっています。
真っすぐに整備されて美しい参道が特徴的です。
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鎌倉五山第三位の「寿福寺」は北条政子が創立?参道の雰囲気が素晴らしい!
寿福寺は、源頼朝の妻である北条政子によって創立されたため、裏山には政子の墓といわれる五輪塔があります。 また、墓地には、高浜虚子や大佛次郎、陸奥宗光といった著名人の墓もあります。 総門か ...
境内の奥にはお墓があって、北条政子と源実朝の供養塔もあります。
実朝・政子之墓と書いてある板がこのような形で置いてあります。
管理人が寿福寺から出てみると、人力車を引っ張る車夫さんが何人も集まってました。
どうやら新人研修みたいなことをしていたようで、先輩車夫が新人車夫に歴史を教えていました。

見学時間 10分くらい
お墓まで行く場合はもっとかかります。
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鎌倉五山第五位浄妙寺
浄妙寺は、源頼朝の御家人で源氏でもあった足利義兼によって創建されました。
最初は極楽寺と称する密教系の寺院でしたが、建長寺開山の蘭渓道隆の弟子月峯了然(げっぽうりょうねん)が住職の時に、浄妙寺と名を改めて禅寺となりました。
浄妙寺周辺は、緑が多い静かなエリアですが、足利氏と密接な関係があったせいで室町時代の関東政治の中心地でした。
浄妙寺の本堂
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鎌倉五山第五位の「浄妙寺」を見学
「浄妙寺(じょうみょうじ)」は、寺号を稲荷山、鎌倉五山第五位の格付けを持つ臨済宗建長寺派の寺院です。 鶴岡八幡宮から金沢街道へと進んだ場所にあります。 浄妙寺は、源義康の嫡男・足利氏2代 ...
見学時間20分
まとめ
鎌倉五山は、効率よく回れば十分1日で見て回れます。
普段から歩くことになれている人なら、徒歩で回れます。
レンタル自転車でもいいのですが、鎌倉は山が多いのと道が狭いのが難点です。
そういえば、浄智寺と建長寺には駐輪スペースがありました。
浄妙寺の近くには、竹の寺として有名な「報国寺」があります。同じくミシュランガイドで星を獲得している「杉本寺」も近いです。
時間があるならこちらも併せて見学するのがおすすめです。