「賃貸の疑問」入居中のトラブルから退去までと原状回復義務のこと

以前に「はじめての部屋探しでのポイント」についてと「申し込みから契約までの流れ」について書きました。

今回はその続きとして新しい部屋に引越した時の手続きと退去するまでについて書こうと思います。

部屋を契約して引っ越す時に必要な手続き

引っ越す部屋が決まった後に、必要となる手続きには以下のものがあります。

自分の郵便物が転送されるように、郵便局に転送先の届出を出します。

 

水道、ガス、電気を入居日から使えるように、電気会社、ガス会社、水道会社に事前に連絡をしておきます。

水道、ガス、電気を新しい部屋で使えるようにするための連絡と、今までの部屋を退去したという連絡も必要です。

どちらも早めに連絡しておくのがよいです。

 

また、役所転出・転入届も必要ですし、子供がいる場合は引越し先の学校への届出も必要です。

その他、免許証銀行への住所変更も必要になります。

部屋の退去で多い原状回復のトラブル、原状回復義務とは?

部屋を退去する時にトラブルになりやすいのが、原状回復義務についてです。

原状回復義務とは、部屋を退去するときは、借りたときと同じような状態で戻してくださいという義務をいいます。

しかし、いくら原状回復義務があるといっても、新築で借りた部屋を20年経って退去するのに当時と同じようにしろというのは無理があります。

わざと部屋を壊したりした場合は入居者(借主)の責任ですが、普通に生活して経年劣化したものについては、入居者が負担しなくてもいいとされています。

 

原状回復をめぐるトラブルが多いことから、国土交通省では「原状回復義務をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。

ガイドラインでは、部屋の壁に画びょうを刺すのはOKですが、くぎを打つのはNGといったように、具体例をもとに原状回復義務について紹介しています。

ガイドラインによると、部屋の模様替えを勝手にやるのはダメとされており、設備を無断で変えるといった行為も認められてません。

その他ガイドラインでは、タバコについても公表していますが、タバコのヤニは経年劣化にあたらないとの見解です(借主負担)。

タバコが原因で部屋がヤニだらけになったら、その分のリフォーム代がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

部屋を借りている間に起きた設備のトラブルはどうする?

部屋を借りて生活していれば、窓ガラスが割れたり、エアコンが動かなくなる、ということもあると思います。

窓ガラスは、古くなってくるだけでいきなり割れることがあります。

他にもエアコンが動かなくなったり、給湯器が故障した、水栓やトイレがつまった、ということも生活していれば起こります。

このような部屋の設備のトラブルに対しては、原則不動産を管理している不動産会社に連絡します。

不動産会社が管理してない場合は、大家さんに直接連絡しましょう。

 

鍵を紛失したときや共有部分(エントランスの電気、みんなで使う部分)の問題についても基本的には不動産の管理会社に連絡をします。

鍵を紛失して部屋に入れなくなった場合は、不動産管理会社に連絡すれば対応してくれることがあります。そのときは、入居者の負担で部屋の鍵を交換するのが普通です。

アパートやマンションの共用部分の不具合については、大家さんの負担で直します。

 

基本的な賃貸借契約では、部屋の設備本体は大家さんが負担し、電球やリモコンの消耗品等は入居者が負担します。

本来は電池も勝手に変えられないのですが、それだと大家さんが面倒なので、特約で借主負担としています。

ただ、設備本体であっても入居者がわざと壊した場合は入居者の負担となります。

 

窓ガラスの経年劣化による割れの場合は、保険で補償されることがあります。

補償の内容も含めてとりあえず不動産会社に連絡すると覚えておくといいでしょう。

賃貸借契約の更新手続きは2年毎?更新時にどんな費用がかかる?

普通賃貸借契約では、契約の期間は2年がほとんどです。

契約期間が2年といっても、賃貸借契約を更新すれば、その後もその部屋に住むことができます。

契約更新の時期が近付くと不動産管理会社から「更新手続きのご案内」に関する書類が郵送されてきます。

 

賃貸借契約を更新する場合は、費用がかかります。

更新時にかかる一般的な費用には、「更新料」「火災保険」「保証料」といったものがあります。

 

更新料は、家賃2か月分が必要という場合があれば、更新料がかからないものまであります。

東京、神奈川だと、賃料1か月分が更新料というのが多いようです。

 

火災保険には、1年契約のものや2年契約のものがあります。

1年契約であれば1年毎、2年だったら2年毎に保険料がかかります。

火災保険料は、1万5千円~2万円くらいが多いようです。

 

保証料というのは、保証会社を利用した場合にかかります。

ただ、最近は家賃回収を確実にするため、連帯保証人を使わず保証会社を使うことが増えています。

借主が家賃を滞納した場合でも、保証会社が家賃を保証するので、貸主にとってもメリットがあります。

保証会社との保証契約も、1年毎のもの、2年毎のもの、1度のみ、と様々あります。

更新時の保証料は、1万円から賃料の50%、賃料1か月分とバラバラです。

保証期間によっても料金が違うので、一概にいくらとは言えません。

 

民法の改正により、個人根保証契約では極度額の定めが必要になりました。これにより連帯保証会社だけでなく、連帯保証人も求められることが出てきました。

分からない点があれば、契約前に不動産管理会社に聞いてみることです。

部屋の退去に関するよくある「疑問」と「トラブル」

退去する際の手続きについては、賃貸借契約書にかかれています。

退去の大まかな流れとしては、まず、不動産管理会社に退去の通知(連絡)をします。

そして、退去日に不動産会社の立会いのもと部屋を鍵と一緒に引き渡します。

その後に、修繕費を引いた敷金が返還される、というのが退去の流れです。

 

退去は、1か月前~3か月前に連絡するというのが一般的ですが、多いのは1か月前に解約通知書を送るというものです。

3か月前の通知が必要な場合に1か月前に通知した場合は、2か月分余分に家賃がかかってしまいますので、退去が決まったら早めに連絡をしておくです。

 

退去する際は、荷物を全て運び出して掃除をしておくようにします。

荷物があると撤去費用がかかってしまうので余分な出費がかかってしまいます。