以前、はじめての部屋探しで気をつけるポイントについて書いたら、申し込みした後の流れについて質問を受けたので、気に入った部屋を見つけた後の申し込みから契約までについてまとめます。
不動産賃貸の入居審査って何を審査するの?
入居審査では、申し込みをした人が家賃を支払っていけるかや、未成年ではないかといったことを確認します。
申込人の収入で家賃が支払っていけるかは、収入の25%~33%が一つの目安とされてますが、一般論なのでこの範囲を外れることはあります。
その他、申込書に書いた勤務先がどんな会社かやどんな仕事をしているかといったことも確認されます。
ちなみに未成年の場合は、親が契約者になるのが普通です。法律の改正で成年が18歳になったので、一人で契約ができるようになりました。
連帯保証人がどういった人かもチェックされます。申込人が家賃を支払わなかった場合は、連帯保証人が支払うからです。
連帯保証人になってくれる人がいない場合でも、実は多くの場合で部屋は借りられます。
最近では、身内であっても連帯保証人を拒まれるケースが多いので、最初から保証会社を利用することが多くなっています。
連帯保証人のかわりをしてくれるのが保証会社になりますが、利用には保証料がかかります。
以前は保証会社を使う場合は連帯保証人は不要ということがほとんどでしたが、民法改正で極度額の定めが必要になり、保証会社に加えて連帯保証人を求められるケースも出てきました。
不動産賃貸取引、重要事項説明から契約までの流れ
入居審査が無事終わったら、次は契約に向けての流れです。
契約に際して必要な書類があるので、必要な書類は契約前に準備しておきます。
また、契約前に初期費用を入金するように言われるのが一般的なのでその点にも注意が必要です。
契約前に入金をして必要書類を準備したら、重要事項説明と契約になります。
契約前に特に重要な事項について説明を受けるのが重要事項説明です。
重要事項説明は、宅地建物取引士が行わなければならないことになっているので、その点もチェックしましょう。
実際に見た例では、酷い業者だとテープやお客さんに書類を読ませるといったものがありました。
法律違反なので最近はこういった業者は減ってますが、中にはあるようです。
重要事項説明について理解したら、内容を理解した証として重要事項説明に名前を書いて印鑑を押します。
その後、契約となりますが、契約についての説明は宅地建物取引士でなくても構いません。
契約では、入居に関するルールや退去する場合のルールなどを確認します。
契約内容を聞いて納得したら、契約書へ記名と印鑑を押して無事に契約終了となります。
部屋の入居時にかかる費用にはどんなものがあるか
部屋を借りるときには、様々なお金がかかります。
どのような費用があるかを見ていきます。
まず、敷金と礼金がかかります。
敷金というのは、家賃の滞納や部屋の設備を壊したとき等に備えて貸主が担保として預かるお金です。
なので、退去まで何事もなければ後日返却されるお金です。
礼金は、部屋を借りるお礼として貸主に支払うお金です。
なので、後日、礼金が返却されることはありません。
不動産会社への手数料として仲介手数料がかかります。
不動産会社は仲介手数料のために仕事をしてくれます。
仲介手数料は、家賃の0.5か月分が原則としてかかります。
初期費用には、一般的に前払い家賃もかかります。
口座引き落としなどの場合は、手続きの関係上引き落としまでに時間がかかります。
どちらにせよ1か月以内に家賃を支払うので、前もって家賃を支払ったほうがお客さんにとっても手間が減ります。
保証会社を使った場合は、保証料がかかります。
目安としては、管理費を含めた1か月総賃料の50%から100%です。
50%の場合は1年更新で、80%~100%の場合は2年毎といったところで、一度支払えばその後は費用がかからないものまであります。
天災に備えて入居時に火災保険に加入するので、2年分の火災保険料がかかります。
火災保険は、家財保険と賠償責任保険とセットになっています。
火事や台風といった天災はもちろん、窓ガラスが老朽化して割れたり、水漏れが起きて家財が損害を受けたときに補償する保険です。
賠償責任保険は、事故を起こしてしまったときに備えて入っておく保険です。
事故を起こした場合に保険がなければ莫大な費用となりますが、保険に加入しておくことで隣人や貸主に対する弁償も抑えることができます。
鍵交換費用は、今でもほとんどの不動産会社でかかります。
中には、鍵交換費用を請求しない代わりに鍵の交換もしない業者がありますが、最低でも鍵の交換は行った方が防犯対策になります。
ちなみに許可なくカギ交換をした場合は契約違反になるので、費用を支払ってでも交換してもらった方が良いと思います。
以上が一般的な不動産会社でかかるものですが、中には管理会社が「会員制」を取っていて会員料金を取られることもあります。
トラブルに対して24時間対応をしている会社だと24時間対応システム料金がかかることがあります。
他にも契約書作成料といった不動産会社でもよく分からない費用がかかることがあります。
また、町内会費を一括で支払わされたといったケースもあります。
退去のときにクリーニング費用が請求されるのが一般的ですが、最初にクリーニング費用を請求してくる不動産会社もあります。
管理会社によっても違うことがあるので、不明な点は遠慮なく不動産業者に質問しましょう。
まとめ
気に入った部屋が見つかったら、まずはそのことを不動産会社の営業さんに伝えます。
そうすると、不動産会社が申込書への記入をしてくれと部屋の申込書を渡してくるので記入します。
最近は、保証会社への加入を必須とする不動産会社が多くなってますが、保証会社を利用する場合の申込用紙を部屋の申込書代わりに使わっている不動産会社もあります。
保証会社を利用しない場合は、連帯保証人が必要です。
民法の改正で保証会社に加えて連帯保証人も必要とする管理会社が増えてます。
申し込み用紙を提出したら、次は不動産会社と貸主による審査となります。
保証会社を使う場合は、保証会社による審査となります。
保証会社の審査は、早ければ翌日から3日程度で結果が出ます。
審査が無事に通ったら、入居日前に不動産会社で契約をします。
契約の際に必要な書類について教えてくれます。余裕をもって準備をしてから契約に臨みましょう。
契約の前には重要事項説明がありますが、分からないことは恥ずかしがらずに質問したほうがいいでしょう。
重要事項説明が終わったら、契約について説明を受け、書類に記名と押印すれば、無事契約終了です。
トラブル回避になるので、分からないことがあったら質問しましょう。
契約の開始日に部屋のカギを受け取れば入居できます。